引越し後に「前の住所に届いた郵便物が届かない」というトラブルは非常に多く発生しています。転居届を提出すれば旧住所宛ての郵便物を新住所に転送してもらえますが、手続きの方法や転送されない郵便物の種類を知らないまま引越すと、重要な書類や請求書を見落とすリスクがあります。
この記事では、郵便局への転居届の出し方(窓口・ネット・ポスト投函)、転送期間や届かない場合の対処法、転送されない郵便物の種類まで、引越し後の郵便物に関するすべてを網羅的に解説します。
引越し時の郵便物転送手続きとは?基本を解説
転居届(郵便物の転送届)の仕組み
郵便物の転送手続きとは、日本郵便に「転居届」を提出することで、旧住所宛ての郵便物を新住所に無料で転送してもらえるサービスです。正式名称は「転居届」で、届出日から1年間、旧住所宛ての郵便物が新住所に転送されます。
転送はあくまで「一時的な措置」であり、届出から1年が経過すると転送が停止されます。転送停止後は、差出人に「転居先不明」として郵便物が戻されます。住所変更の届出を各サービスに行い、1年以内に完了させることが重要です。
重要な注意点
転居届は引越しの前後いずれでも提出できますが、引越しの1週間前~当日までに手続きを済ませておくのがベストです。届出から転送開始までに3~7営業日程度かかるため、引越し直後に届く郵便物が旧住所に配達されてしまう可能性があります。
転居届の出し方は3つ!それぞれの方法を詳しく解説
転居届の提出方法は、大きく分けて以下の3つがあります。それぞれメリット・デメリットがあるので、自分に合った方法を選びましょう。
| 方法 | 手続き場所 | 必要なもの | 所要時間 | 転送開始目安 |
|---|---|---|---|---|
| 郵便局窓口 | 最寄りの郵便局 | 本人確認書類(運転免許証等)、旧住所が確認できる書類 | 約10分 | 3~7営業日 |
| インターネット(e転居) | スマートフォン・PC | ゆうびんID、本人確認書類の画像、マイナンバーカード(本人確認用) | 約15分 | 3~7営業日 |
| ポスト投函(転居届ハガキ) | 郵便局で用紙入手 → ポスト投函 | 転居届用紙(郵便局で入手)、必要事項の記入 | 約5分 | 7~10営業日 |
方法1:郵便局の窓口で手続き
最も確実な方法です。最寄りの郵便局(旧住所・新住所どちらの管轄でもOK)の窓口で、転居届の用紙に記入して提出します。
必要なもの:
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
- 旧住所が確認できる書類(運転免許証、住民票、公共料金の領収書など)
- 転居届に使用する印鑑(認印でOK、シャチハタ不可の場合あり)
手続きの流れ:
- 郵便局の窓口で「転居届の用紙をください」と伝える
- 用紙に必要事項(届出人、転居者全員の氏名、旧住所、新住所、転居予定日)を記入
- 本人確認書類を提示して提出
- 届出の控え(受付証明)を受け取る
窓口のメリット
窓口で手続きする最大のメリットは、不明点をその場で質問できることです。「家族の分も一緒に手続きできるか」「転送開始日を指定できるか」など、個別の事情に応じた対応をしてもらえます。
方法2:インターネット(e転居)で手続き
日本郵便が提供するオンラインサービス「e転居」を利用すれば、自宅から24時間いつでも転居届を提出できます。2023年のリニューアルにより、マイナンバーカードによる本人確認が必須になりました。
e転居の手続きの流れ:
- 日本郵便の「e転居」サイト(https://welcometown.post.japanpost.jp/etn/)にアクセス
- ゆうびんIDでログイン(未登録の場合は新規登録)
- マイナンバーカードを使ったJPKI(公的個人認証)で本人確認を行う
- 旧住所、新住所、転居予定日、転居者の情報を入力
- 入力内容を確認して申込を完了
e転居の注意点
- マイナンバーカードが必須です。通知カードでは手続きできません
- スマートフォンの場合、NFC機能(マイナンバーカードの読み取り)が必要です
- PCの場合は、ICカードリーダーが必要です
- 1回の届出で転居者は最大6名まで登録可能
方法3:ポスト投函(転居届ハガキ)で手続き
郵便局の窓口やロビーに設置されている「転居届」の用紙(ハガキ形式)に記入し、ポストに投函する方法です。切手は不要で、そのままポストに入れるだけで手続きが完了します。
この方法は手軽ですが、窓口提出やe転居と比べて転送開始までに時間がかかる点に注意が必要です。また、本人確認のために郵便局員が確認に訪問する場合があります。
転送されない郵便物の種類と対策5選
転居届を出しても、すべての郵便物が転送されるわけではありません。以下の郵便物は転送の対象外、または転送が難しいものです。それぞれの対策を確認しておきましょう。
1. 転送不要郵便
差出人が「転送不要」と指定した郵便物は、転居届を出していても転送されません。金融機関のキャッシュカードやクレジットカード、本人確認書類の送付に多く使われます。これらは不正利用防止のため、届け先住所に届出人本人が居住していることを確認する目的があります。
対策
金融機関、クレジットカード会社には引越し前に住所変更届を提出しましょう。特にクレジットカードの更新時期が近い場合は要注意です。カードが届かず失効してしまうケースがあります。
2. ゆうパック・ゆうメール
ゆうパック(荷物)は転居届の転送対象外です。また、ゆうメール(旧冊子小包)も転送されない場合があります。ネット通販の荷物や、雑誌の定期購読物がこれに該当します。
対策
Amazon、楽天市場などの通販サイトや、定期購読中のサービスには早めに住所変更を行いましょう。特にAmazonは配送先住所を複数登録できるので、引越し前に新住所を追加しておくと便利です。
3. 届出人以外宛ての郵便物
転居届に記載されていない人宛ての郵便物は転送されません。家族で引越しする場合は、転居届に全員の名前を記載する必要があります。同居人やルームシェアの場合は、それぞれが個別に転居届を提出する必要があります。
対策
転居届には転居する全員の名前を漏れなく記載しましょう。旧姓での郵便物がある場合は、旧姓も記載しておくことで転送対象になります。
4. 転送期間(1年)を過ぎた郵便物
転居届の有効期間は届出日から1年間です。1年を過ぎると転送が停止され、旧住所宛ての郵便物は差出人に返送されます。
対策
転送期間内にすべての住所変更を完了させることが最善策ですが、やむを得ない場合は再度転居届を提出することで延長できます。再届出の際は、旧住所と新住所を同じ内容で記載します。ただし、延長は1回のみとする郵便局もあるため、事前に確認しましょう。
1年以内に住所変更が必要な主な届出先のリストを後述しますので、参考にしてください。
5. DM(ダイレクトメール)・チラシ類
宛名のないチラシやポスティング広告は、そもそも郵便物ではないため転送されません。また、宛名付きのDMであっても、差出人が「転送不要」を指定している場合は転送されません。
対策
不要なDMは引越しを機に停止手続きを行いましょう。日本データ通信協会の「迷惑メール相談センター」や各企業のマイページから配信停止の手続きが可能です。
転送期間内に住所変更すべき届出先チェックリスト
転送期間の1年以内に、以下の届出先すべてに住所変更を行いましょう。漏れがあると、転送停止後に重要な書類が届かなくなります。
| カテゴリ | 届出先 | 手続き方法 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 行政機関 | 市区町村役所(転出届・転入届) | 窓口・マイナポータル | 最優先 |
| 運転免許証 | 警察署・免許センター | 最優先 | |
| マイナンバーカード | 新住所の市区町村役所 | 最優先 | |
| 金融機関 | 銀行口座 | 窓口・ネットバンキング | 高 |
| クレジットカード | 各社公式サイト・アプリ | 高 | |
| 証券口座・保険 | 各社公式サイト | 高 | |
| 生活サービス | Amazon・楽天市場などの通販サイト | 各サイトのマイページ | 中 |
| NHK | 公式サイト・電話 | 中 | |
| 携帯電話会社 | 各社マイページ・ショップ | 中 | |
| その他 | 勤務先 | 社内手続き | 高 |
| 定期購読サービス | 各社公式サイト | 中 |
郵便物が届かない場合の対処法5選
転居届を出したにもかかわらず郵便物が届かない場合、いくつかの原因が考えられます。以下の対処法を順番に試してみてください。
対処法1:最寄りの郵便局に電話で問い合わせる
まず、新住所を管轄する郵便局に電話で問い合わせましょう。転居届が正しく処理されているか、転送設定に誤りがないかを確認してもらえます。郵便局の電話番号は、日本郵便の公式サイト(https://www.post.japanpost.jp/shiten_search/)で検索できます。
対処法2:転居届の処理状況を確認する
e転居で手続きした場合は、ゆうびんIDでログインして処理状況を確認できます。窓口やポスト投函で手続きした場合は、受付控えの番号をもとに郵便局に問い合わせましょう。届出から1週間以上経っても転送が開始されない場合は、手続きに不備があった可能性があります。
対処法3:旧住所の郵便受けを確認する
転送開始前の郵便物や、転送不要郵便は旧住所に届いている可能性があります。まだ旧住所にアクセスできる場合は、郵便受けを確認しましょう。既に退去済みで確認できない場合は、旧住所の管理会社や新しい入居者に確認を依頼することも検討してください(ただし、プライバシーへの配慮が必要です)。
対処法4:差出人に直接連絡する
特定の郵便物が届かない場合は、差出人に直接連絡して、送付先住所を確認しましょう。特に「転送不要」で送られている可能性のある金融機関やカード会社の郵便物は、差出人側で住所変更を行わないと届きません。
対処法5:郵便物等事故調査依頼を行う
上記の方法で解決しない場合は、日本郵便の公式サイトから「郵便物等事故調査依頼処理システム」を利用できます。調査依頼フォーム(https://www.post.japanpost.jp/question/mishyutyaku/index.html)から、届かない郵便物の情報を入力して調査を依頼しましょう。調査結果は通常1~2週間で回答されます。
引越し時の郵便物転送に活用できるサービス5選
郵便物の転送手続きと合わせて、引越し全体をスムーズに進めるために活用できるサービスを紹介します。
1. e転居(日本郵便公式)- オンラインで転居届
日本郵便が提供する公式の転居届オンラインサービスです。マイナンバーカードがあれば、自宅からスマートフォンで手続きが完了します。24時間対応で、郵便局の営業時間を気にせず手続きできるのが最大のメリットです。
公式サイト:https://welcometown.post.japanpost.jp/etn/
2. マイナポータル – 行政手続きの一括処理
マイナンバーカードを使って、引越しに関連する行政手続きをオンラインで行えるサービスです。転出届のオンライン提出や、転入届の来庁予約が可能です。郵便物の転送とは別ですが、引越しに伴う行政手続きを効率化できます。
公式サイト:https://myna.go.jp/
3. 引越し侍 – 引越し業者の一括見積もり
郵便物の転送手続きと同時に進めるべきなのが、引越し業者の手配です。引越し侍では最大10社から見積もりを一括取得でき、最安値の業者を簡単に見つけられます。郵便物の転居届と合わせて、引越しの段取りを一気に進めましょう。
公式サイト:https://hikkoshizamurai.jp/
4. くらしのマーケット – 各種手続き代行
引越し後の各種手続きが面倒な方は、くらしのマーケットで手続き代行サービスを探すことも選択肢の一つです。不用品回収やハウスクリーニングなど、引越し前後に必要な作業を個人事業者に依頼できます。口コミと料金を比較して依頼できるため、コストを抑えやすいのが特徴です。
公式サイト:https://curama.jp/
5. 引越しれんらく帳 – ライフラインの一括手続き
電気・ガス・水道・インターネットなどのライフラインの住所変更や開始届を一括で手続きできるサービスです。東京電力エナジーパートナーが運営しており、利用は無料です。郵便物の転送と合わせて、ライフラインの手続きも同時に進めましょう。
公式サイト:https://www.hikkoshi-renrakucho.jp/
よくある質問(FAQ)
Q1. 転居届は引越しの何日前から出せますか?
転居届は引越し予定日の前からでも提出できます。転居予定日を記入する欄があるため、実際の転送開始は指定した日付以降になります。引越しの1~2週間前に提出しておくと、転送開始のタイミングが引越し日と合いやすくなります。なお、届出は引越し後でも可能で、届出から転送開始まで3~7営業日程度かかります。
Q2. 家族が別々の住所に引越す場合はどうすればいいですか?
家族が別々の住所に引越す場合は、それぞれ個別に転居届を提出する必要があります。例えば、離婚や単身赴任で夫婦が別の住所に移る場合、各自が自分の分の転居届を出します。1つの転居届に記載できるのは、同一の新住所に引越す人のみです。
Q3. 一時的な転居(出張・入院など)でも転居届は出せますか?
はい、一時的な転居でも転居届を提出できます。出張、入院、帰省など、一定期間別の住所に滞在する場合に利用できます。ただし、転送期間は1年間で、元の住所に戻った際には再度転居届を提出して、郵便物を元の住所に戻す手続きが必要です。
Q4. 転居届を取り消すことはできますか?
転居届の取り消しはできませんが、転送を止めたい場合は、新たに「新住所→旧住所」への転居届を提出することで対応できます。この場合、郵便局の窓口で事情を説明し、手続きを行ってください。e転居では取り消しの機能は提供されていません。
引越し前後の郵便物に関するタイムライン
| 時期 | やること | 備考 |
|---|---|---|
| 引越し2週間前 | 転居届を提出(窓口・e転居・ポスト投函) | 転送開始まで3~7営業日かかるため早めに |
| 引越し1週間前 | 金融機関・クレジットカードの住所変更 | 転送不要郵便対策として必須 |
| 引越し当日 | 旧住所の郵便受けを最終確認 | 鍵を返す前に必ず確認 |
| 引越し1週間後 | 転送が正常に行われているか確認 | 届かない場合は郵便局に問い合わせ |
| 引越し1か月後 | 通販サイト、定期購読の住所変更 | ゆうパック・ゆうメールは転送対象外のため |
| 引越し3か月後 | 住所変更漏れがないか総点検 | 転送された郵便物があれば住所変更未了のサイン |
| 引越し11か月後 | 転送期間延長が必要か判断 | 必要なら再度転居届を提出 |
まとめ:転居届は引越しの1~2週間前に出そう
郵便物の転送手続きは、引越し時に忘れがちですが非常に重要な手続きです。転居届を出し忘れると、重要な書類や請求書が届かなくなるリスクがあります。
この記事のまとめ
- 転居届は引越し1~2週間前に提出するのがベスト
- 手続き方法は窓口・e転居(ネット)・ポスト投函の3つ
- e転居にはマイナンバーカードが必要
- 転送不要郵便やゆうパックは転送されないので個別に住所変更が必要
- 転送期間は1年間。期間内にすべての住所変更を完了させる
- 届かない場合は、まず管轄郵便局に電話で確認する
郵便物の転送手続きと合わせて、引越し業者の手配もお忘れなく。一括見積もりを利用すれば、最安値の業者を簡単に見つけられます。

